
『トレンド』と『デザイン』についてを考えてみた

「デザイナーという職業を生業にしている以上、トレンドにまったく興味が無いというのはいかがなものだろう。」
そんなことを最近ぼんやりグルグル考えていました。
これはまったくの持論ですが、同じ考え方の人もきっと多いのではないでしょうか?
「デザイナーなら最新のトレンドファッションに身を包め!」とか、
そういうことではありません。
(むしろデザイナーって全身黒尽くめとかシンプルな服装好む人が多い傾向にある気がします。)
トレンド感度が大切で、そのアンテナを常に張り巡らせておくことができるかどうか、そこが大切なのです。
デザインは生モノです。
実はデザインにもファッションと同じようにトレンドがあることをご存知ですか?
5年も経つと、デザインの主流もガラっと変わってしまいます。
使う色合いや組み合わせ、フォントの使い方や選び方、レイアウトの組み方などなど。
トレンドセンサーを常に張り巡らせておかないと、
「なんかあの人が作るもん古臭くね?つかダサくね?」
なんて陰口を叩かれたり叩かれなかったり。あぁ悲しい。
常にトレンド傾向が移り変わるデザインの世界は、まさしく生モノと言えるのです。

必要な感度は多岐に渡ると痛感した経験。
ファッションなどと同じような最新のトレンド傾向をキャッチする感度はもちろんですが、必要なのはそれだけではありません。
世の中でいま何が起こっているのか、人々がいま何を感じているのか。
ニュース関連の情報もある程度はきちんと把握しておき、世間の動向をキャッチしておくことも大切です。
長いことデザイナーとして生きてきた中で一番大きな事件・出来事として胸に刻みこまれたのは、『3・11』です。
当時はアミューズメント関連専門でデザイン制作をする会社で、デザイナーとして折込チラシやポスターを中心に制作をしていました。
そんな中起こった『3・11』。オフィスはかなり離れた地域だったにも関わらず揺れましたねー。その時も何か大変なことが起こったぞということで、即座にラジオやネットニュースで情報をキャッチしました。
その後、その業界のデザインで何が起こったかというと、
「海や水を連想させるデザイン禁止、今後しばらく控える」。
その業界では海や水を連想させるデザインっていうのが結構人気で、主流といっても過言ではありませんでした。
ただアミューズメント関連というのは、ああいう大きな出来事があると必ず自粛する傾向にあります。人々の心情を察して逆なでしないよう寄り添う姿勢を見せることが必要とされるのです。
ただ記憶では、恐らく私たちのいた業界だけではなく、全業界でCM・広告関連で海や水を連想させるイメージはしばらく見なかったと思います。
「いち会社員としてデザインやってる自分はこんな時ちっぽけで何も出来ないぜ」なんて思いながら、それでも締め切りはやって来るのでデザイン制作やってるしかない状況。
ですがこのお達しが発令されてからは全デザインが修正になり、鬼のような忙しさにより、センチメンタル傾向だった私のハートはますます鋼のハートへと成長を遂げるのでした。

最近よく見る平成デザイン。
ファッション業界でも最近Y2Kって言葉をよく耳にしますが、その流れはグラフィックデザイン業界にも派生しています。やっぱりファッションやカルチャーの影響をグラフィック業界はダイレクトに受けますからね、相思相愛の関係です!
ただグラフィックデザインの場合、2000年代どころかそれより前な雰囲気?
平成レトロ×いまの空気感=ハイブリッドエモデザイン
をよく見かけるようになりました。少し前までは見なかったテイスト。
「極力シンプル、余白はかっこいい、文字にフチはださい」
が定説だったグラフィック業界が、大きく変化していってる空気を感じます。デザインってやっぱり生モノですね。


女性向けの雑誌などを見てもレイアウトがどんどん自由になっていて、
「なかなか近頃のデザインは難しくなってきたなー」
なんて思いながら眺めています。
このへんの女子向けキャッチーなデザイントレンドをキャッチするのは、やっぱりファッション雑誌が一番です。
個人的には『ar』がおすすめで、誌面デザインなどの参考にも。
このテイストを自分のモノにするのは私には難易度が高いので、お勉強してインプットしていくしかありません。いくつになってもお勉強です!



ところで今年はというと、Y2Kブームとアフターコロナな空気感で、カラフルなものをよく見かけるようになりましたよね!昨年からジワジワ来てたのですが、今年は至るところで色・色・色!
もともとカラフルなファッションが大好きな私にとっては当たり年です!
少し前まではみんな全身真っ白・全身ベージュだったのに、今年はビタミンカラーで溢れかえってます!
カルチャーや生き方そのものに自由度が増してきている昨今の雰囲気にマッチしてる感じがして、見ているだけでワクワクします。
グラフィックデザインの世界もそれに伴ってカラフルで色の美しいデザインやパッケージなど、ますます増えてきてますよね。
今年は大好きな推し色に身を包んで、気持ちから盛り上げていきましょう!
この記事を書いた人
- 洲鎌 千穂
- デザイン歴長い人。考え込むより臨機応変にとりあえずやってみるのが好き。でもプライベートでは腰重め。広島出身なので中国地方の人に心許しがち。最近のFUNは、愛犬のインスタフォロワーを増やしながらチワワを愛でること。