きづき

節操がない拙僧、サブスクで酒を飲む。

>ひらめき

「お前は節操がない」と言われると、ちょっとムっとする。

「分け隔てがない人」と言われると、良い感じがするのに。

日本語って難しいなあ。なんてことをぼんやり考えながら、ビール→ハイボール→ラム酒のロック→ウイスキーのストレート、と飲み散らかしている深夜。節操がない。しかもブログのコンテンツが少ないから今回は「ひらめき」をテーマに書くべし、と弊社エンジニアからお達しが出た。酔っ払っているので何を書けば良いのかもしらん。けれどタイムリミットは刻々と迫っている。そもそも、酔っ払ってぐわんぐわんの頭なので「ひらめき」なんて起きるわけがない。

もう面倒くさいのでテーマを「酒」にして、むりやりひらめいてみることにしよう。いっちょ「酒好きが楽しく酒を飲めるアイデア」でも考えてみるか。と思いながらウイスキーを追加→結果→寝落ち。目が覚めるとブログ投稿予定の翌日になっているという始末である。ごめん。おかげで頭はスッキリしていて、ひらめけそうな気もするが。

特に新しいネタを考える暇もないので、テーマは「酒好きが楽しく酒を飲めるアイデア」として進めるとしよう。と、ここで少しだけ小噺。

僕の社内での仕事内容のひとつがプランナー=アイデアや企画を考える人なわけであるが、アイデア(ひらめき)や企画って天から降ってくることはまずないと考えている。なんか良いアイデアないかな~なんてうんうん唸っていても、ひらめきは生まれない。僕は天才じゃないし、アイデアマンでもない。ポンポンとアイデアが出てくる人を羨ましく思うことはあるけれど、できないのだから仕方ない。ただ、要領よく「アイデアを考える=ひらめく」ことはできる。よっぽどの天才でもない限り、大切なのは要領の良さだと思う。

【要領が悪い場合】

・パクリは完全悪、自分の考えにとことんこだわっている

・ゼロから自分で考えてルールから絶対にはみ出さない

・努力を重ねた結果、すでにあるアイデアの劣化版ができる

【要領の良い場合】

・コピーできるソース(趣味や遊びも)を豊富に持てるようにする

・すでにあるものを書き換えながらルールを無視してひろげる

・結果的に目的に即したオリジナルのアイデアができる

ということで僕の場合、「ひらめこう」と考えるとき(日本語として少し変だけれど)は、同業界や競合ではなく自分の経験や見知ったこと、教えてもらったことを起点に考えることが多い。そのうえで、アイデアを企画として成立させるために、道筋立てて検証していく癖が仕事柄ついている。

などと、具体的な「ひらめき」コンテンツから離れた内容をつらつらと書き続けているのは、単純に文字数稼ぎである。あと、酒ばっかり飲んでるけど、ちゃんと考えてるやんって褒めて欲しいからでもある。もう少しお付き合いいただきたい。

そもそも企画とアイデア(ひらめき)は違う

先ほど、アイデアや企画を考える仕事をしているといったが、この言葉はよく混同されがちだ。僕の場合、例えば販売促進だったり集客だったりのプランを立案して、提案から実行までお手伝いするのが仕事で、この一連の流れをプランニング=企画だと定義している。この場合、最も大切なのは目的だ。

例えば(題材としては既に擦りつくされているけど)「水道水を売ってお金を稼ぎたい」という目的があったとする。この目的達成までの道筋を描いて実現=お金を稼げる状態にまで導くのが企画である。当然、そこにはたくさんの課題が存在する。たとえば

Q_そもそも水道水を買うという感覚がない

Q_ミネラルウォーターには勝てない

Q_売れたとしても稼げるのか

などなど。これらを解決するために「アイデア=ひらめき」が必要になってくる。

アイデア(ひらめき)は目的達成のための要素

●そもそも水道水を買うという感覚がない→水は無料ではないという事実を伝える

=安全性表示・ミネラルウォーターとの価格比較・アンカリング効果の解説

●ミネラルウォーターには勝てない→付加価値&需要とタイミングを見極める

=味をつける・売上の一部を募金・SDGS・推しが愛用・砂漠で売る

●売れたとしても稼げるのか→定期的に買ってもらえる仕組み化

=水出しスペシャリティコーヒーセット販売・企業向け大ロット販売・ポイント還元・アンバサダー制度

などなど、かなり節操がないが、こんな具合にひらめいていくことができる。もっと深掘りするなら、たとえば「砂漠で売る」は「飲みたいけれど飲める水がない環境で商品を提供する」という軸なので、同じような考えで「サウナ」「海上」「無人島」などひらめきを掘って広げていける。リーバイスのジーンズが売れた理由もこれだった。

話はそれるが、実は一般的にミネラルウォーターとしてコンビニなどで売られている商品は、厳密には品質表示ガイドラインの沿って3つの分類がある。原材料名を見ればわかるが、最近よく目にするうっすら味がついている水はそれらに該当しないので、いわゆる水道水を加工して売られているものがあってもおかしくないし、問題もない。

アイデアやひらめきというとなんだか斬新ですごいモノが求められるイメージがあるけれど、必ずしもそうじゃないと思う。ただ、いくつか押さえておきたいポイントもある。

ポイント①人ありきで考える

なにか企画やアイデアを考えようとしたとき、そこに登場する相手、つまり「人」を無視してしまっては、ひらめくのがとても難しくなる。たいていのアイデアは「人が感じる課題や悩み」から生まれるものだ。

これは以前セミナーなどでも話したことがあるけれど、モノを中心にアイデアを考えようとしてもつまりがち。ただ、そこに人を介在させると

といった風にだんぜん考えやすくなる。

ポイント②実現可否を無視する

あれこれ考え抜いたうえで生まれたひらめきやアイデアは、時として絶対に実現できないだろうというものも含まれる。冷静になって考えた時に「あ、これはあかんやろ」となって気分もだだ下がり…となりがちだが、それでは本末転倒だ。実現方法は企画全体を考えるときに検討すれば良い。ひらめきやアイデア検討段階では実現可否のしばりを設けず広い視野で考えたいところだ。

ポイント③感情や世相を無視するとハズす

面白いアイデアが思いついたぜ!という時は気分が高まってそのまま走り出してしまいがち。ただし、そのひらめきが本当に素敵かどうかは立ち止まって考えた方が良いと思う。人は基本的に面倒くさいことが嫌いだし、嫉妬するし、認めて欲しいもの。そこを無視しすると、いくら斬新で目新しいアイデアでも受け入れてもらえない。

番外編:雑にアイデアを量産するのも間違いじゃない

ここまで説明してきたようにロジカルに筋道立ててアイデアを出す=ひらめく方法もあるが、もちろんもっと雑多に複数のアイデアを出すことも可能だ。けれど本題ではないので今回は割愛。ご興味があれば別のブログで書きます。

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本題「酒好きが楽しく酒を飲めるアイデア」

今回はアイデア(ひらめき)に絞って考える=企画として成立しなくてOK

ということでやっと本題である。だいぶ字数は稼げたぜ。では「酒好きが楽しく酒を飲めるアイデア」について考えてみよー。

かわいくて写真とった

人:お酒が好きな人(自分/n=1)

感情:お酒を飲みに行った時に感じる雑感

・基本的に酒はたらふく飲んでしまうタイプ

・節操なくお酒さえ飲めれば良いって日も多い

・なのでデイリー使いの場合はあまり高価なものは厳しい

・とはいえなんでもいいのではなく好きなテイストやこだわりはある

・ただしめちゃくちゃお酒に詳しいかというと決してそんなことはない

・ビールばっかりよりも気分や料理に合わせていろいろ楽しみたい派

・好みを伝えて相談しながらお酒を提案してもらうのも好き

・気に入ったお酒を覚えたくて写真も撮るが実はほとんど覚えていない

・覚えているのは飲んだ場面・相手やその時の気持ちと紐づいていることが多い

・新しいお酒との出会いは今後も積極的にどんどん楽しみたい

といった感じだろうか。書き出すと面倒くさいやつだな。このあたりを踏まえて、ちょっと雑にひらめいてみよう。雑感を大別すると大きく3つに分けることができそうだ。

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グループA「お手頃価格でお酒をいろいろ楽しみたい」

・基本的に酒はたらふく飲んでしまうタイプ

・節操なくお酒さえ飲めれば良いって日も多い

・なのでデイリー使いの場合はあまり高価なものは厳しい

・とはいえなんでもいいのではなく好きなテイストやこだわりはある

グループB「ウンチクなどをもとに好みを選びたい」

・ただしめちゃくちゃお酒に詳しいかというと決してそんなことはない

・ビールばっかりよりも気分や料理に合わせていろいろ楽しみたい派

・好みを伝えて相談しながらお酒を提案してもらうのも好き

グループC「新しく好きなお酒を見つけて覚えたい」

・気に入ったお酒を覚えたくて写真も撮るが実はほとんど覚えていない

・覚えているのは飲んだ場面・相手やその時の気持ちと紐づいていることが多い

・新しいお酒との出会いは今後も積極的にどんどん楽しみたい

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これに対してのアイデア(ひらめき)を考えてみると…

グループA「お手頃価格でお酒をいろいろ楽しみたい」

→冷蔵庫から勝手に持っていっていいよスタイルの飲み放題で提供

→デイリー使いで自由に利用できるサブスクサービスとして実施

グループB「ウンチクなどをもとに好みを選びたい」

→冷蔵庫に雑多に並べるのではなくカテゴリ分けをして陳列

→酒それぞれに紹介やウンチクを添えたカードやラベルに

→お酒の味などにとどまらず仕入れた人のエピソードを添えても良さそう

※このカテゴリや紹介の方法で店の個性を出すことができそうだ

グループC「新しく好きなお酒を見つけて覚えたい」

→店が仕入れるのではなく客が仕入れて置いておくスタイル

→客が「こりゃええわ」と思ったものを冷蔵庫に紹介カード等を書いて設置

→客が仕入れる酒の価格や利用頻度などでサブスクの金額設定

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ということで、今回のひらめき!

利用者が持ち寄って楽しむ酒のサブスクサービス

かっこよくて写真とった

天の啓示を受けなくてもひらめきは作れる。

これは特定の飲食店にとってもメリットがあるかもしれない。お酒の仕入れは特定の酒販店から仕入れることが多いが、酒販店によって取扱う酒類や種類に差がある。けれど、例えば小規模の飲食店などでは豊富な酒類のお酒を仕入れるのはルートはもちろんコスト面でも難しい。これが客の持ち寄りによって実現されるのであれば、小規模な飲食店にとっても付加サービスになるかもしれない。さらに、持ち寄ってもらうお酒の酒類や価格帯、お酒の紹介方法などを工夫すれば店の独自性を打ち出せそうだ。

他にも、店舗や利用者の客である立場ではなく「サービス構築」の視点で見てみると、飲食店と利用者をつなぐ仕組みをつくる=あたらしいサブスクプラットフォームにまで発展できそう。この形態は飲食に限らず別の業態にも展開できそう、、、、と妄想は膨らむわけです。

もちろん、これが企画として成立するかはまた別問題。

実現のためには価格設定やお酒を集める仕組み、会員募集の方法やルールなど課題がいろいろある。

ただ、これらもひとつひとつ「ひらめき」で解決を目指していける。

といった感じで「酒好きが楽しく酒を飲めるアイデア」のひらめきでした。

さて、短時間だが頑張ってブログを仕上げられたし、今日も節操なく酒を飲むとしましょう。

この記事を書いた人

澤井 裕吾
主な仕事は企画と記事を書くこと。お客様の新しいチャレンジを応援するのが大好き。大雑把な性格に見せかけて意外と繊細らしい。わりと読書家。三度の飯も酒も好き。FUNはキャンプと焚き火。たいてい1人でどこにでも行くし、予定変更や空いた時間も無駄なく楽しめる派。どうぞお誘いください。