CLIENT : SPIRITS & Slainte mhor

新規オープンのBARのブランディング

STORY

法善寺に息づくBARの精神

大阪・法善寺に新しくオープンすることになったBAR「スランジバー」。いつもお仕事と美味いお酒をご一緒させていただいている、同じく法善寺にあるBAR「MAIN BAR SPIRITS」のオーナー高島さんのもとで、右腕として活躍されていた西川さんが独立して開業する記念すべきお店だ。その店舗のロゴやツール関係を相談したいというお話をいただいた瞬間、酒飲みの血が騒いだのは言うまでもない。というわけで、さっそくお話を聞きに行く。この界隈には美味しいお店がたくさんあり、空腹で道草しそうになるのを我慢しながらなんとか先を急ぐのであった。

01

誰の店かどんな店か

仕方ないので空腹は酒で紛らわすとしよう、と喉を鳴らしながら重い扉を押して店に入る。自然と背筋が伸びるような「MAIN BAR SPIRITS」のオーセンティックな空間に、凛と佇む高島さん。整ったオールバックが相変わらず男前である。「ちょっと一杯くださいな」なんて軽口は叩けそうにない。ちくしょう。その隣には柔らかい空気をまとい微笑む普段着の西川さん。今回の依頼人である。ギャップすげえな。

 聞けば、新しくオープンする店は「MAIN BAR SPIRITS」の目と鼻の先にあるらしく、じゃあ行きますかってことで。30歩ほど歩いたところに現れたのは、3階建のなんとも風情がある、おんぼろ一軒家だった。ギャップすげえな。でも、確かにどこか西川さんっぽい建物でもある。

 服装や髪型がその人っぽさを印象づけるように、店構えや空間が店舗のらしさを醸し出すように。ロゴマークは、店主の思いや姿勢を端的に伝えられるものが良い。そんな風にあらためて思うのだった。

02

店主の顔が見えるロゴがいい

 店名の「スランジバー」ってどんな意味があるのかしらん。そう思い西川さんに尋ねると、なんでもゲール語で「あなたの健康を祝して」という意味らしく、ウイスキーの本場スコットランドでは乾杯の時にもよく使われる言葉だそう。「もういい歳なんだからバカみたいに飲み過ぎちゃ駄目ですよ」と優しく戒められているように勝手に感じて、反省。

 ああ、でも、とても素敵で西川さんらしい。カジュアルなガラス扉をからんと開けて、背筋も伸ばさず猫背でカウンターに腰掛ける。元気してる?ぼちぼちやな…なんて近況を話しながらの「Slainte Mhor」。そこにはどんなお客さんが集い、どんな空気が流れていて欲しいだろう。

 西川さんの思いに耳を傾け、まだ見ぬお店の姿を想像しながら、店主の顔が目に浮かんでくるようなロゴを目指して制作は進んでいった。

03

酒飲みなら遊び心を忘れずに

 ロゴがある程度固まってきた段階で、店頭看板、名刺、オープンDMなどのツールデザインを展開していく。ロゴ制作の段階で幾度となく店舗の方向性を共有してきたので、意思疎通も決定もスムーズに進んでいった。店舗紹介の折りリーフレットは、ささやかなオープン御祝いにと、勝手にデザインして勝手にお届けした。これを口実に美味しいウイスキーを出してもらおうなんて打算的な考えはモルト一粒くらいしかなかった。
 オープンから数年が経ち、お店もすっかり街に馴染んでいった。法善寺の水掛不動さんを背に、角を曲がって少し歩く。ガラス扉から漏れるあたたかな光にのって、今夜も乾杯の声が路地裏に心地よく響く。

制作物

店舗ロゴ / 店舗看板 / オープンDM / リーフレット / 名刺

STAFF COMMENT

バーテンダーはBar(酒場)とTender(世話人、見張り人、相談役)の造語なんだって。略して「バーテン」なんて言っちゃ駄目ですよ。

ダサすぎず・洒落すぎず・一風変わったロゴにしたい…というオーダーに悩み続けていましたが、手を動かしていたとき、図らずも出会った「これロゴで乾杯できるのでは」というアイデアに、現場が湧きました。

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仕事のご依頼から協業のお誘い、なんでもどうぞ。雑なお悩み相談も、どしどしお待ちしています。

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