きづき

イラレで遊べるゲームをつくる【企画編】

>研究

はじめまして。
ロークルーで企画・デザインをやってます。野田です。
みなさんゲームって好きですか。遊んだりしますか。

話を聞いてみると

「子供の頃はテレビゲームやってたな」とか
「トランプくらいなら」とか
「実況動画はみるよ」とか
「スマホのアプリはやる」とか

様々な意見がありましたが
みんな共通して話すことは
「大人になってから熱中するほどの趣味ではないかな…」
という意見でした。


私目

歳二十でオンラインゲームにハマり
六年間で計七千時間以上のプレイ時間
図らずも歩んでしまった逆張り人生
そんな「消費者」という甘たるい泥濘から這いずり出し
弊社デザイナー間で楽しめるゲームを
いっちょ作ってみよかいなというブログです。

企画編・デザイン編・やってみた編の3本立てです。
お楽しみいただけると幸いです。

1:企画編
↑この記事です。

2:デザイン編
↑執筆中です!

3:やってみた編
↑執筆中です!


イラレで遊べるゲームとは

製作中のテストです

仕事の合間を縫って、Adobe Illustratorでレイアウトの再現速度を競うタイムアタックゲームを製作しています。

今回の記事では、

「なんでゲーム作るの?」
「なんでIllustrator?」

など紐解きつつ、ゲームの企画ができるまでのプロセスをお話しできたらと思います。よろしくお願いします。


なんでゲームをつくろうとおもったの

先ほどすこし触れましたが、ここ数年はオンライン対戦ゲームにどっぷりの生活です。平日の空き時間ではプレイ動画を見漁り、休日は朝からコントローラーとマウスを握りしめ、モニターの前で血眼になって戦い続ける…をサイクルしています。

文字に起こすと切なくなりましたが、上手くなるために考えながらゲームを遊ぶことは楽しいライフワークなので、面白いタイトルが出続ける限りはなんだかんだ続けていくんかなと思います。

某バトロワで海外プレイヤーとチャンピオンとったときのチャット。
ggは「good game」いうスラングです。
振り返り動画を記録して反省してます


ただ焦りがあるもまた事実で、社会人にあるまじきプレイ時間と、より良いゲーム環境のため購入したPC・デバイスの数々。時間もお金も散々投資してきました。

近年ようやく【程度】という言葉を覚え、1つのタイトル(勝敗がシビアなゲーム)をずっとやり込むのを止めて、デジタル・アナログ問わず多種多様なジャンルのゲームを幅広く遊ぶようになりました。

負けたくなさすぎて風呂で肉体と精神を清めて臨んだFPS…
簡単なのに奥深いボードゲームの名作…
感情移入しすぎて選択肢ひとつに10分以上かかるようなアドベンチャー…
上手い下手でなく「好き」で繋がるコミュニティ…
熱すぎて思わず泣いた世界大会観戦…

卒業式の答辞みたいになりましたが、
そんなこんなのゲーム体験を経て「娯楽ってすげえなあ」とか、「おれもなんか作ってみてえなあ」とか、めちゃくちゃに感化され、今です。


どんなゲームをつくるの

長々とすみません。本題です。

人並み以上にはゲームを遊んできましたが、作る側の経験値としてはまた別です。「さて作りましょう」でパッと思いつきはしないし、時間的な制約がそもそもあります。なぜなら既に、記事の公開予定日から2日も過ぎているからです。
(企画自体は前からあったけど…担当者の方々、本当にすみません…)

気を取り直して与件を整理すると

→ゲームのコンセプトを短期間で仕上げる必要がある
(作り込み・遊んでもらうのは別日でOKだけど1ヶ月以内には完成予定)
→プログラムが必要なデジタルゲームは時間、技術的に無理
→コマやカード等を必要とするアナログゲームは時間、費用的に無理
→複雑なルールを仕上げるのも多分間に合わない
→3分くらいでパッと遊べるものが良い
→自分がおもろいと思えるゲームが良い
→遊んでもらう人は弊社デザイナー陣(こんな人たちです


こんな感じでしょうか。
まとめると

自分にとって面白くて
時間と技術と費用のコストが少ない

ルールが簡単で弊社スタッフに
パッと遊んでもらえるゲーム

ですね。うお〜
これらの要素を紐解きながら、ゲーム作りを進めていきたいと思います。


①「自分にとって面白い」要素

遊ぶ人はもちろんですが、何より自分が楽しく遊べるゲームを作りたい気持ちがデカめです。色々と遊んできたゲームを振り返りながら、自分にとって「楽しいゲームの条件」を考えてみました。

操作】が楽しい
→キャラクターやオブジェクトを自由自在に動かせる
→ガチャガチャ操作が忙しいやつが好き
→爽快感がある

上達】が楽しい
→思考、知識、技術で勝敗がわかれるのが良い
→反復練習すればある程度結果が出る
→ある程度運の要素もあれば

見ていて楽しい
→周りの人も観戦していて楽しいゲームが好き
→任天堂の「将棋3席、麻雀5席」という考え方がめっちゃ好き
→任天堂が好き

こんなもんでしょうか。
自分の好みとしては、「楽しい操作感」で、「勝敗がはっきり」決まり、「運だけじゃない上達の余地」があり、「見ていて楽しい」ゲームが好きらしいですね。
こんなん作れんのかという気がしてますが、次へ。


②「時間と技術と費用のコストが少ない

先述の通り、今回は時間が限られているので… 超大作RPGや凝ったアナログゲームは難しそうです。(作れるかはさておき)
となると何だろうな。ミニゲーム的な考え方の方が良さそうですね。ひとまずコストのかからない遊びを挙げてみて、何を使って遊ぶを考えてみました。

A. 言葉で遊ぶ
例:しりとり、早口言葉、マジカルバナナ

B. 動作で遊ぶ
例:じゃんけん、ジェスチャーゲーム、あっち向いてホイ

C. モノで遊ぶ
(紙やペン、コインなど既にあるモノや技術で新しい遊びを考える手法)
例:イラストクイズ、10円サッカー

どの遊びもルールを考えるのが楽しそうではあるんですが、重要なのが「操作が楽しい」という点。AとBは操作の観点から見ると実現が難しそうなので、今回は自由度が高そうなCの線で考えてみることに。操作が楽しいモノ…なんでしょうか。デスク周りを見渡して選出してみました。

キーボード/電卓
→打鍵の心地よさ、爽快感
iPhone
→入力の心地良さ
トランプ
→カード切るときの爽快感
マウス
→手とポインターの一体感
ペン
→ペン回しやノック音

こんなもんでしょうか。カタカタカチカチシャッシャって感じですね。
どのモノで進めるかは置いておいて、ゲームにおいて大事な「遊び方」を考えていきます。


③「遊び方」

今回は既存の遊び方の構造を拝借して、組み合わせて作ってみようと思います。上達が楽しい…見ていて楽しい…簡単なルール… これについては以前から気になっていた遊びがあります。タイムアタックです。

RTAというゲームのプレイスタイルをご存じでしょうか。
RTAとはReal Time Attack(リアルタイムアタック)の略で、ゲームを最初からプレイして実時間でどれだけ早くクリアできるかを競う遊び方です。
みなさん普段ゲームを楽しむ際、壮大なムービーにグッときますよね。ちょっと寄り道なんかしちゃったり。ハイスコア狙おうと意気込んだり。

そんなことRTA走者(RTAプレイヤーの呼称です)には一切関係ありません。ムービーもテキストも全てスキップ。寄り道なんて持っての他。最短ルートを研究し続け、何千何万回の試行の末に最適化されたゲームプレイ。突き詰めるとなんでも競技になるんだな…すごい…

発売から30年以上経つマリオ。最速を求めて、未だに研究され続けています。(世界記録は5分以内!)
どうぶつの森 借金返済RTA ぜんぜんスローライフじゃない 面白いのでおすすめです

すこし脱線しました。

タイムアタックの何が優れているかというと、速度を競うという条件を与えるだけで何でも遊びになる点です。食事なら早食い競争になりますし、言ってしまえば短距離走だってそうです。身近なモノを使って速さを競う遊び。これならゴールも明確だし、上達の余地があるし、見る側・遊ぶ側も程よい緊張感で楽しめるんじゃないかな〜

ひとつ懸念すべきは

タイムアタックの内容について
プレイヤー(弊社スタッフ)全員に同程度のノウハウがあること

ですね。Aさんが得意でBさんが不慣れなことで競争をはじめちゃうと、スタートの時点ですでに大きく差があるし、上達速度も大きく開きが出て楽しめなさそうですね。ウサギとカメでも平等に楽しめるゲーム。このポイントは大切にしたいですね。


まとめ

なんとなくまとまってきた気がします。
あとは、どんなモノで何のタイムアタックをするかを決めるだけ!
改めて必要な要素を書き出してみました。

操作に「爽快感」がある
キーボード/電卓iPhone/トランプマウスペン

で遊ぶ

「勝敗がはっきり」決まり、
「運だけじゃない上達の余地」があり、
「見ていて楽しい」
プレイヤーが同程度のノウハウがある

タイムアタックゲーム

上記の条件を満たすゲームが、今回求めるゲーム像のようです。

………とまとめている中で、ひとつ良いアイデアが浮かびました。
(白状すると、タイムアタックについて調べている時、すでに思いついてました…)

楽しい操作感… 身近にある道具… スタッフの共通点… 同じ程度のノウハウで始めることができるタイムアタック…

我々デザイナーが毎日つかうもの。

それはマウスとキーボード。

そのマウスとキーボードで使うモノ!

そう、Adobe Illustratorです。


Adobe Illustratorで、デザインRTAをやります!


デザインRTAつくるぞ

Illustratorを知らない方向けに説明すると、図形を描いたり、文字を組んだり、写真を配置したりできるドローソフトで、多くのデザイナーは普段このソフトでロゴやらチラシやらのデザインをこさえています。

そのIllustratorとやらでタイムアタックって何やんねんってお話ですが、

上の画像は、Illustratorでサッと作ったデザインです。
このデザインがどう作られているかを見てみましょう。

文字や図形が、白い格子に沿って配置されているのがわかるかと思います。
(右のアイコンはこれらを出力するためのツールです。)

このように、Illusuratorは、規則に基づいて形や文字を配置することが可能です。この配置を再現する速さを競う→デザインRTAができるんじゃないか…と思いました。

例題として、

上のレイアウト(矢印と数字は無視してください)をなるべく速く再現するには、どのような工程が必要でしょうか?一度考えてみてください。


(下に答えがあります。)


正解はこちらです。 イラレを普段使う方なら簡単かもですね。もしくは…

これです。
例題のように簡単なレイアウトを再現するだけでも、様々な手法があります。
僕は前者の手法が慣れてますが、後者の手法の方が速いよって人もいるだろうし、他にも正解があるかもしれません。

知識やスキル以外で差が出るとしたら…環境設定も挙げられますね。
マウスの速度やショートカットの設定、キー入力の数値など、プレイヤーによって様々なので、今回のRTA用にカスタマイズ可能とかも面白そうです。

そして折角なので…すこし自分で遊んでみました。
謎の緊張感あって結構面白い。手応えありな気がします。
(動画は2倍速にしてます)

1回目 緊張で心臓ドキドキしました ガイドのロック忘れ/スマートガイド反応せずというミス連発
2回目 すこし落ち着きを取り戻しました 1分タイム縮んだ



振り返りと次回予告

ここまで長かった…
という過程がございまして、イラレで遊べるゲームをつくるに至ったわけです。
無事に方向性は決まったんじゃないでしょうか。
あとは細かいルール… ステージのデザイン…
やること盛り沢山ですが、楽しみです。

次回の更新もなるべくはやめに頑張ります!
それでは。

この記事を書いた人